美容師ってそんなにえらくないって思ってます。


『女性の髪を扱う』という事は、

そんなに軽いことじゃないと、
毎日毎日、自分に言い聞かせています。

美容師の立場から考えると、
毎日のように何人もの方の髪の毛を触るということは当たり前、それが仕事、すなわち日常なわけなんですが、

カットをするスタイリストだけが意識するものではないはずです。

シャンプーやカラーだってそう。
アイロンワークだってもちろんそう。
櫛を一つ通すのだって世の中のすべての物事の中で一番大切に扱わなくてはいけないのが、

女性の髪の毛


だと。

美容師だから当たり前になり、なあなあになるのか、

美容師だから、人よりも繊細に扱わせていただくのか、

答えは簡単なはずなのに、
実際はどうなんでしょう。

美容師である前に人であれ

目の前の人にやさしくできない美容師は、
お客様やモデルさんに対してやさしくなれることはないと思うんです。

カラーがうまい
カットラインは自信がある
似合わせなら任せて

そこはもちろん大切なんだけど、

その前に、そこに向かう自分自身のスタンスを整えることってとても重要なんじゃないかな、

って思います。

カラーの仕上がりを乾かしながら確認したい気持ちを抑えて、お客様が手を伸ばさなくては届かない雑誌やスマホを、手に取りたがっていないか、気にしてあげることのほうがよっぽどたいせつ。

毛束が正確に引き出されているか真剣にチェックしたい気持ちを抑えて、お顔まわりに被っている髪の毛を気にしてあげることのほうが優先じゃないかな?

いくら仕上がりの完成度が高くたって、それに至るプロセスに『やさしさ』がないと、お客様やモデルさんの満足度は満たせないんじゃないかと。

くしの入り方は、ソフトにできているだろうか?

ハケのあたりは痛くないだろうか?

このままくしを通して、毛先に引っかからないだろうか?

クロスは苦しくないだろうか?

鏡の中の世界に見苦しい景色はないだろうか?

お客様が通る通路は、狭くないだろうか?

あげればきりがないし、どこまでも突き詰めることができることですが、

終わることなく突き詰めていくのが田中の使命だし、


自分が担当させていただく人が、

あー、なんかしあわせだなー


って思える仕事をしたい!

ただそれだけのことをまとめたくて、
久々にスマホをとりました。

生涯やさしくいたいなー、と。

明日から週末です!
忙しい時間こそ、余裕を持って人にやさしく。





女性の髪の毛を大切に扱う